2017年 僕の年間ベスト30曲

 もう12月30日なんですね・・・。今年は個人的に激動の一年だったので、とりあえず1年間をやりきっただけでも及第点かなという感じです。そんな2017年ですが、密かに自分の中で立てていた目標があって、それが「色んな音楽を食わず嫌いせず聴いてみる」でした。思い返してみると僕自身、気に入ったものを曲単位でひたすらにリピートするという音楽の聴き方をしていました。それはそれで良いのですが、何だかもったいない聴き方をしているような気がして、数年前から「アルバムを通して聴く」ということを始めてみたところ、「アルバムの流れ」等々、それまでとは違った楽しみを見つけることが出来ました。それなので、今度は意識的に色んな音楽に触れてみようと思ったというようなところです。昨年、一昨年あたりも意識してはいたのですが、正直あまり達成出来た気はしてなかったので今年は本腰入れて一歩踏み出してみました。結果として、これまでに比べるとそれなりに広く聴けたかなと思います。これまで新しい音楽を聴くときはレンタルショップやCDショップへ毎回足を運ぶ必要があったのですが、今年はApple Musicがあったおかげで聴きたいと思った音楽をすぐに聴ける環境にあったのが理由としては大きいのかなと。

 さてさて、前置きが長くなりましたが、年末なのでそんなそこそこ広めに聴いた曲たちの中から30曲をチョイスしてランキング形式に並べ、1曲ずつコメントしてみました。年間ベストってやつですね。色んな音楽を聴いてみるという目標を置いていたこともあるので、30曲並べるに当たって、「同じアーティストからは最大2曲までしか選ばない。」ということだけ一応自分ルールとして設けて並べてあります。それでは、30位から1曲ずつ紹介していきますね。YouTubeに公式で動画が上がっていたものについては動画もくっつけてます。

(なお、コメントの中で歌詞を引用している部分がありますが、引用部分は<>で括ることとしています。)

 

 

30位『Girls Don’t Cry』Awesome City Club

 

 えっ、E-girls?と間違えそうなくらいドPOPな曲。1個前のアルバムに入っていた『Vampire』といい、PORINボーカルの明るくて可愛い雰囲気の曲がAwesomeの中でも特に好みなのかも。

 

29位『すべては君のせいで』Base Ball Bear

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  3人体制後初のアルバム『光源』のリードトラック。僕自身、青春時代にベボベを通ってきた訳じゃないんだけれども、彼らの曲を聴くと高校生くらいのときの記憶が思い出されたりして、本当にこのバンドは青さをずっと保ったバンドだなあと思わされます。あと、ベボベの曲っていつも絶対に体が動いてしまう気がします。踊れるロックのパイオニアは伊達じゃない。そんな彼らの良さが全部詰まったような「ザ・ベボベ」な曲です。あと、本田翼めちゃくちゃかわいい。

 

28位『Catch the Moment』LiSA

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 我らが田淵智也さん曲。とか言っておきながら去年横浜アリーナで初披露されたときは「うーん、これは田淵曲じゃないな。」と思っていました笑。疾走感の権化でありつつも物悲しい雰囲気も含んだようなこういうタイプ曲、ユニゾンでも聴きたいな。

 

27位『陽』クリープハイプ谷口鮪

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 東京メトロのCMで一聴き惚れ。小林武史のプロデュースだけあってゴリゴリにシンセ鳴っているので、ロックファンの中では好き嫌いが分かれそうだけど、僕の感想としてはクリープのメロディと相性抜群な気がしました。優しくて温かい雰囲気が強調されている印象で僕はめちゃくちゃ好きです。あと、CM聴いて惚れたのと鮪さん好きというのがあるので僕はコラボバージョンの方が好みかな。

 

26位『闇夜に提灯』赤い公園

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 イントロからもうアドレナリンが止まらないですこれ、キメキメでめちゃくちゃかっこいい。赤い公園、これまでもアルバム単位では追ってはいたのだけど、いよいよ本格的にハマりそうだなと思ったタイミングで佐藤さん(Vo./Gt.)の脱退発表があってがっくりだったなあ。ただ、今後も活動は続けるみたいだし、津野米咲という天才がいるので楽しみでもあるからワンマンは今度行ってみようと思っています。

 

25位『Squall』04 Limited Sazabys

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 フォーリミというと正直「あー、あの流行の若手バンドね」くらいにしか思っていなかったのですが、去年出た『eureka』というアルバムを聴いて印象がガラリと変わりました。とにかく曲が良くて、特にメロディがツボな曲が個人的に多い。あと、今年は彼らのライブを初めてまともに観たのですが、絵になるバンドだなと思いました。自分が10代のときにこんなバンドがいたら100%のめり込んでいただろうな。


24位『Flowered』UNCHAIN

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 相変わらずのオシャかっこよさ・・・。しかも、オシャレ一辺倒じゃなく、そこに最高にキャッチーなポップをちゃんと乗せて成立させてるのがすごい。UNCHAIN聴いたこと無い人に聴いてもらいなと思った曲。

 

23位『イト』クリープハイプ

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 クリープは『憂、燦々』あたりで一気に開けたなあと思ったけど、そこから更に1つ上のステージに上るような開けまくった曲だなと思いました。四つ打ちでギターのカッティングがオシャレでホーンのアレンジも素敵で、そんなもん好きに決まってますよね笑。あと、誰かに踊らされているという意味での「糸」と戦略を意味する「意図」を掛けてるのもさすが尾崎さん。


22位『RAIN』SEKAI NO OWARI

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 『RPG』あたりからこの人たちの楽曲って良曲ばっかりな気がする。色々な意見はあると思うけど、それでも日本の音楽シーンのド真ん中に居続けられてるって、多分並大抵のことじゃないと思う。この曲、メロディはいつもの通り文句無しのポップさでもちろんすきなのですが、歌詞も<傘を差し出す君に映る僕は濡れていない 水たまりに映る僕は雨に濡れてた>等、すかし過ぎてないけどオリジナリティに溢れていて好きです。


21位『流星ダンスフロア』ORESAMA

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 YouTubeサーフィンをしてたときに広告で流れた曲が物凄く好みで、色々調べてみるとORESAMAというバンドだということが分かって一通り聴き漁った。そんな矢先にアニメ「魔法陣グルグル」のOPをやるという情報を見て歓喜。『イト』のことでも書いたけど、こういうハイパーウルトラ超POPみたいな曲、嫌いな訳ないですよね。Shiggy Jr.とかSHE IS SUMMERあたりが好きな人は間違いなく好きなんじゃないかなあと。


20位『リボン』BUMP OF CHICKEN

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 シンプルに良い曲ですよね。CMで流れてるのを聴いてiTunesストアに秒で駆け込んでダウンロードしました。BUMPの曲って「このジャンル」みたいな区分けの出来ないオリジナリティがあるんだけど、それが大衆にも届く普遍性と同居してるのが本当に凄いなあと毎回思う。ツアー行きたかったけど当たらなかった、残念。


19位『ノンフィクション』平井堅

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 TVドラマ「小さな巨人」の主題歌。冒頭のストリングスがドラマの壮大な雰囲気とマッチしすぎていてEDで流れる度に毎回鳥肌だった。で、そのままストリングスまみれの曲になるのかと思いきや1番まるごと歌とアコギというまさかのシンプルな構成。2番Bメロで突然入ってくるベースとドラムも素敵。意表をついてくる構成だなあと思って編曲を見たらまさかの亀田誠治さん。亀田さんなら1曲丸ごとストリングスまみれにしそうだから意外だった。とりあえず良い曲です。

 

8位『TOKYO GIRL』Perfume

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 TVドラマ「東京タラレバ娘」の主題歌。この曲もEDでイントロが流れる度に鳥肌が立ったし「うおおお、最高だ、でも来週まで待ちきれない・・・。」って思ったなあ。流すタイミングもあるんだろうけど、イントロでどれだけ視聴者の興奮とか感動を誘えるかって、良い主題歌の大きな条件なのかもしれないですね。Perfumeは本当に安定して良い曲出すので1回ライブに行ってみたいなあ、演出も凄いみたいだし。チケット取れなさそうだけど・・・。

 

17位『Magical Fiction』チャットモンチー

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 跳ねたリズムがとっても心地良い曲。未だにチャットモンチーが「完結」してしまうことを受け止められてないので、この曲の<どんな平穏にも必然のさよならを バイバイ>あたりで目頭熱くなってしまう・・・。Galileo Galileiも然り、僕の青春だったバンドがどんどん完結してしまう。とりあえず悔いの無いようにラストライブは目撃しておきたい。

 

16位『青空のラプソディ』fhána

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 「POPな曲とは」というのを完全に体現してるなと思える曲。Aメロ/Bメロ/サビ/Cメロと結構めちゃくちゃなことやってる感じがするんだけど、それが自然に繋がって聞こえるのが何か最近ユニゾンっぽい気がする。アニソン界隈の外へも普通にリーチ出来る人たちな気がするんだけど、そこら辺のプロデュースをちゃんとやってくれる気がしないLantisさん・・・。nano.RIPEの二の舞にして欲しくないなあ。


15位『ピースサイン』米津玄師

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 音楽の好みが似てる人たちがこぞって米津さんを推しているにもかかわらず、自分の中ではいまいちピンと来てなかったんですが、この曲で完全に良さを理解した。言葉数がとても多いんだけど、それが綺麗に気持ちよく転がっていく感じがとても気持ちいい。特に「さらば掲げろピースサイン」のとこがメロディ含め最高。


14位『Swing heart direction小松未可子

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 TVアニメ「ボールルームへようこそ」2クール目のED曲。プロデュースは我等が田淵智也さんも所属する天才集団Q-MHz。冒頭から末光篤さんが弾いているピアノと他楽器のキメが絡み合っていてめちゃくちゃ気持ちよい。そして何より、1番サビの歌詞がアニメと近づき過ぎて無いけども観た人はニコニコしちゃうみたいな完璧な距離感で流石だなあと思いました。最終回のEDでこの曲が流れたときは今年で1,2を争うレベルで昂ぶった。


13位『さよならバイスタンダーYUKI

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 最近のYUKI、覚醒し過ぎじゃないですか???個人的に『FLY』があんまり響かなかったから勝手に少し不安になっていたのですが何のその、『ポストに声を投げ入れて』以降に出た曲が漏れなくドストライク。YUKIの1番好きなアルバムは『megaphonic』なんですが、最近の曲はその疾走感ある元気な雰囲気と『FLY』の大人な雰囲気がちょうど良く混ざってる感じがするなあと思います。この曲も、キャッチーさと疾走感の中に大人な雰囲気が同居していて、そのバランスが個人的にはとても好きです。


12位『春風』sumika

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 大躍進の2017年になったsumikaさん、結構色々なタイプの曲を作ってると思うんですが、代表曲の『Lovers』や『MAGIC』みたいな底抜けに明るいタイプの曲よりも疾走感の中に物悲しさが見え隠れするみたいなタイプの曲のほうが好きで、そんなタイプの中でもダントツに好きな曲です。<春のような貴方へ>とか人生で1回くらい言われてみたいですね。

 

11位『ALL RIGHT』ねごと

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 『VISION』の後くらいからエレクトロな方向へ一気に舵を取ったねごと、個人的にエレクトロなサウンドに偏り過ぎているが曲ってそんなに好きではないのですが、この曲くらいバンドサウンドが響いてる中に入ってくるエレクトロ感は大好きです。爽やかさもありつつ浮遊感もあるし、今のねごとにしか作れない曲なんじゃないかなあと思います。3:31という絶妙な短さも相まってか、気がつくと何十回もリピートしちゃう曲。


10位『カメレオン』赤い公園

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 『闇夜に提灯』もそうだけどイントロからもうたまらんです。いつまで続くんだよみたいなスネアの連打からホーンがバキバキに鳴ったイントロへ突入するのが最高にかっこ良い。<ねえ本当の自分って意外と探すまでもない>とかいう名言をサラっと書いてしまう津野米咲さん、本当に同い年かよ信じられないくらい天才だ。ちなみに赤い公園が今年出した『熱唱サマー』というアルバムは1曲めが『カメレオン』で2曲目が『闇夜に提灯』なのですが、その2曲の繋ぎがもうかっこよすぎて失神するレベルなので興味がある方は聴いてみて下さい。


9位『どういたしまして』東京カランコロン

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 カランコロンは出てきたばっかりの頃、それこそ『少女ジャンプ』とか『ラブ・ミー・テンダー』の頃、ツインボーカルのハモリと独特のメロディが好きでよく聴いてたんですが、avexに移籍した辺りから全然聴けてませんでした。ですが、今年YouTubeサーフィンをしているときに偶々この曲に出会って、好みドストライク過ぎて度肝抜かれました・・・。調べてみるとどうやら今年2017年にavexを抜けてTALTOというレーベルに移ったんですね。制約が多くてやりにくかったのかなと邪推してしまいますが、とりあえずこの曲は最高。特にAメロの<温度無きゃ単なるイミテーション>の部分がメロディから譜割りから何から何まで好み過ぎてもはやこれは性癖なんじゃないかなと思ってますね笑。


8位『明日も』SHISHAMO

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 NTTドコモのCMに起用されたこの曲、仕事がつらい時期に毎日のように聴いていて、1番の歌詞、特に<良いことばかりじゃないからさ 痛くて泣きたいときもある>というキラーフレーズに元気をもらってため、個人的に思い入れのある曲です。宮崎さん(Vo./Gt.)自身は、この曲のような応援歌めいた曲はSHISHAMOに似合わないという風に考えているようですが、僕みたいにこの曲に元気をもらっている人がいるのも事実ですし、何よりこの曲でSHISHAMOがJ-POPど真ん中というフィールドで十分に戦っていけるということを示すことが出来たのもまた事実。この曲以降飛ぶ取り落とす勢いの彼女たちですが、今年はなんと紅白歌合戦にも選出されましたね。紅白を期にまた1つ上のステージに行くのは間違いないと思うので、今からとても楽しみです。


7位『flat song』UNISON SQUARE GARDEN 
 

 8月にリリースされたシングル『10% roll, 10% romance』のカップリング曲。ユニゾンといえばこのシングルの表題曲である『10% roll, 10% romance』に代表されるような言葉数がとにかく多くて明るい曲のイメージが先行していると思いますが、最近はミドルテンポ以下の曲にも負けないくらい良曲がかなり集まってきていると思います。これは田淵(Ba./Cho.)のソングライティング技術の向上もさることながら、斎藤(Vo./Gt.)の歌唱力の向上もおそらく大きな理由になっているんじゃないかなと思います。

 最近は田淵も斎藤もユニゾン意外での活動が増えてきているけど、それをこういう形でちゃんとバンドへ還元することが出来ているのが本当に素敵だし理想的だ。この曲は年前からあった曲みたいだけど、全員の技術が向上して脂が乗り切っている今このタイミングで出したのは本当に正解だと思う。それにしても<まだ幼い君の心に合わせようとしゃがみかけてさ ちょっとかかと浮かすよ すぐ大きくなるだろうから>とかいう歌詞、田淵さんパパにでもなったんですかと言いたくなる優しさで毎回咽び泣きそうになるよね・・・。

 

6位『バトンロード』KANA-BOON

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 TVアニメ「BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-」のOP曲。この曲はとにかく歌詞が良いです。KANA-BOONといえば谷口鮪(Vo./Gt.)の作る人懐っこいメロディと四つ打ちのリズムにスポットライトがあたることが多いですが、『Origin』あたりから歌詞がとても良いのです。この曲で言うと<今は涙の種だって 咲かせれば偉大な伝承花>、<理想 思想 君だけの軌道に沿うものだけは手離さないでよ>といった感じで、決して分かりやすく無いけれども、何だか口ずさみたくなってしまいたくなるような綺麗な日本語が多いです。中でも僕が特に好きなのが<彼方を今に追い抜いて 空色の日々は満身創痍>という歌詞です。何が好きかと言うと、彼らの現状を綺麗な日本語で端的に表しているところです。彼らは絵に描いたような華々しい道を歩んできましたが、その結果、目まぐるしく変わっていく環境に日々追いつくだけで精一杯で、音楽を楽しむ余裕すらないくらいに辛い時期もあったようです。そんな状況を、直接的な言葉を使わずに綺麗な日本語に変換して歌詞に出来るのは本当にすごいなあと。デビュー当時の売り出し方が極端だったためにとかく勘違いを受けやすいバンドですが、本当に良いバンドだと思うので是非この曲からでも聴いてみて下さい。

 

5位『背中越しのチャンス』亀と山P


 TVドラマ「ボク、運命の人です。」の主題歌。この2人と言えば、2005年にTVドラマ「野ブタ。をプロデュース」の主題歌『青春アミーゴ』でミリオンを達成して一世を風靡しただけあって、本当に華やかで絵になって、同性ながら憧れてしまいます。そして何より曲が良いです。四つ打ちに分かりやすい美メロな、これぞJPOPな曲で「あーやっぱりJ-POPって最高だよな」と思わせてくれます。メロディでいうと<好きの二文字を この声で>のメロディがツボすぎてここだけ何度リピートしたことか笑。東京カランコロンの『どういたしまして』といい、自分のツボなメロディってあるんだけど、音楽的素養が無くてそこらへんを一般化出来ないのがもどかしいところ・・・。あとこの曲、大サビ以降のたたみかけがめちゃめちゃにかっこいいので是非聴いてみて下さい!(公式動画は無かったですが、そうでないものは上がっているみたいです。)

 

4位『星丘公園』Hump Back

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 このバンドをオススメするためだけにこのランキング書いたと言っても過言じゃないくらい、この曲のイントロを聴いた瞬間、今年というか数年ぶりの衝撃でした。もしかしてとんでもないバンドを見つけてしまったのでは??という謎の動揺をしてしまうくらいの衝撃。そんなHump Backは、2009年に大阪の高校の軽音楽部で結成されたスリーピースバンドで、メンバーは全員23歳とSHISHAMOあたりと同世代。もっと若いのかなあと思ったけども意外とキャリア長い。話が少しそれましたが、この曲を一聴した瞬間にチャットモンチーの『サラバ青春』が頭に浮かびました。曲自体の雰囲気もそうだし何かこう、青春時代が一気にフラッシュバックする感じ。チャットモンチーが「完結」してしまうこのタイミングでこういうバンドが出てきたのがすごくグッとくるものがありますね。(実際に、Vo./Gt.の林萌々子さんはチャットモンチーをリスペクトしているそうです。)

 この曲、歌詞も凄いなあと思いました。例えば<コンクリートをカチ割るようなアオい青春は 何処にも行けずに空を眺めてる>とか<制服の裾を掴むような淡い初恋は ようやく居場所を見つけたみたいだ>とか<シのゴの言わずに夢を見て 明日のことは忘れてしまうのさ>とか…こういう「意味は掴みきれないけど日本語としてとても綺麗な歌詞」を個人的に「スピッツ的な歌詞」と呼んでいるのですが、Hump Backの歌詞は他の曲含め結構スピッツ的だなあと思います。YouTubeで他の曲もたくさん公開されているので是非聴いてみてください、オススメです。

 

3位『1987→』スピッツ

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 7月にリリースした『CYCLE HIT 2006-2017 Spitz Complete Single Collection』に新曲として収録された3曲のうちの1曲。この曲は「バンド結成当初の“ビートパンクバンド”スピッツの新曲という想定で作った曲」だそうです。スピッツといえば一般的には『チェリー』や『ロビンソン』のような王道のJ-POPのイメージを持っている方が大半だと思いますが、実は結成当初はパンクロックバンドとして活動していたんです。そんなパンクロックなスピッツの新曲を今のスピッツがカバーしたかのようなこの曲は、インディーズ時代の『泥だらけ』という曲から引用したイントロから始まります。歌詞の中にも<それは今も続いてる 泥にまみれても>という一節が出てきていて『泥だらけ』を強く意識しているのが伝わってきます。それにしても、インディーズ時代の曲を引用して<今も続いてる>と言ってくるあたりが最高に憎くて最高にかっこいい・・・。

 中でも僕が1番感動したのが<ヒーローを引き立てる役さ きっとザコキャラのまんまだろう 無慈悲な鏡叩き割って そこに見つけた道>という歌詞で、国民的なバンドが何を言っているんだよという感じですが、確かにドーム公演をバンバンやるようなバンドでもなければ皆が最新曲を追っているバンドでもない、言ってしまえば異端児ではぐれ者だけれど、それでも「自分たちのやり方を貫いてここまでやってきたんだ」という自負がこの一節からは感じられたのでめためたに好きです。あと、この「ザコキャラ」という表現はおそらく同世代で常に比較されてきたミスチルを強く意識しているが故に出てきたフレーズなのかなあと邪推しました。

 全然関係ないですが、なんかこの曲、ユニゾンの『プログラムcontinued』と空気感が似てるんですよね。やっぱりこういう気取ってないけどロマンに溢れてるみたいな曲、大好きです。             

 

2位『フラッグを立てろYUKI

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 TVアニメ「3月のライオン」のOP曲。こういうタイプの曲って無限に聴けちゃいますよね。ここ最近狂ったようにリピートしてます。YUKIって内省的な歌詞を書く人だと思うんだけど、その内省的な部分が3月のライオンと絶妙にマッチしてるなあと思います。例えば、<僕は僕の世界の王様だ 水の上も走れるんだ>は周囲との関わりが苦手である故に、将棋という世界に自分を見出している零にリンクするし、<いつだって上手く生きられないわ>なんかは不器用ながらも強く生きていくそれぞれの登場人物にリンクします。そんな不器用な人間を描いたこの曲ですが、<ひとつ ふたつ ため息さえ抱いて ステップ踏み鳴らすのダンサー>、<さしあたりこの行く末は どうやら喜劇になりそうだ>と、辛いことの先にある明るい部分にもちゃんとふれているところが好きだなあ。サウンドについては、初春の雨上がりの晴れた日みたいな爽やかさと綺麗さの混じった柔らかい雰囲気で、こちらも3月のライオンにぴったり。本当に流石です。この名曲に続くユニゾンの『春が来てぼくら』、期待しかないですね。

 

1位『Invisible SensationUNISON SQUARE GARDEN

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 ようやくここまで来ましたが、もう1位は出来レースみたいなとこありますね笑。自分が1番好きなバンドの曲を1位にするのも何かダサいのかなと思いつつも、やっぱりこの曲は間違いなく良かったし、圧倒的な回数聴いたので1位にせざるを得ませんでした。TVアニメ「ボールルームへようこそ」のOPであるこの曲、クライマックスに向かって加速していくストーリーにぴったりな疾走感満載のユニゾンらしいPOPな曲です。また、サウンド面だけではなく歌詞の部分でも「努力と才能もあわせ持った人間だけが勝ちあがって行くのが勝負の世界」ということを歌っており、競技ダンスの世界とリンクしています。また一方で、この歌詞は自らのバンドや音楽の世界について歌っているとも解釈出来ます。

 と、いったことは各所で書かれているのでうだうだ書いても仕方ないですし、僕自身この曲については何回も聴いて考察していく中で惚れ込んでいった訳ではなく、アニメのOPでワンコーラス聴いた時にはもう既に今年の1位となることが確定していました。何がそんなに刺さったのか考え直してみると、まずシンプルにメロディが好きなのが一番の理由なのかなと思います。Aメロ/Bメロ/サビどこを取ってもメロディがど真ん中ストライク。特にBメロからサビに向かって盛り上がっていく部分は何度聴いても初恋かよみたいなレベルで心拍数上がります。歌詞についても、最近のユニゾンの曲に多い「大変なこともあるけど、生きてれば良いことあるから頑張ってみようぜ」みたいなスタンスがこの曲にも色濃く出ていて、聴く度に背中を優しく蹴っ飛ばされる感じがして好きです。

 ここにきて語彙力を失ってしまっているのがファンの性という感じですが、とにかく良い曲なので、もっと色んな人に聴かれれば良いのになあと思います。正直この曲を聴いたときに『シュガーソングとビターステップ』並に売れると確信して止まなかったのですが、蓋を開けてみると2017年に出したシングルで1番売り上げ枚数が伸びなかったと聞いてびっくり。やっぱりヒットするには色んな要素が重なる必要があるのかな。それでも僕の中では2017年の圧倒的No.1ソングです。

 

 そんなこんなで以上でーす。1つずつレビューしていくの、地獄のように大変でもうやりたくないのでアルバム編は20枚並べて終わりにします(笑)と、いうことで数日以内に更新しまーす。年内に更新できないかもしれないのでとりあえず皆さん、良いお年を!!